1章 – 本章のポイント3

1) 生産性は生活水準の根源的な決定要因

生産性=「1人(または1時間)あたり、どれだけ作れるか」。

例:同じ人数(労働者100人)、同じ労働時間(1日8時間)の2つの国(地域)AとBがある。

  • A:1人1日あたり 10個の商品を作れる
    → 1日の生産量 = 100人 × 10個 = 1,000個
  • B:1人1日あたり 20個の商品を作れる
    → 1日の生産量 = 100人 × 20個 = 2,000個

商品1個が 1,000円で売れるなら(単純化)

  • Aの売上(付加価値)= 1,000個 × 1,000円 = 100万円/日
  • Bの売上(付加価値)= 2,000個 × 1,000円 = 200万円/日

この売上が賃金や利潤として分配されるので、ざっくり言うとBの方が「払える賃金」も「消費できる量」も大きくなりやすい。

→ 生産性が高いほど、同じ働き手でも多く作れて、生活水準(所得・消費)が上がりやすい。

 

2) 貨幣量の増大はインフレーションの根源的な決定要因

超シンプルに「市場で買われるモノの量」と「お金の量」のバランスで考えます。

ある国で、1年間に売買されるモノ(実質生産量)が 1,000万個あるとする。お金の総量が 1,000億円なら、平均的に

1個あたりの平均価格 ≒ 1,000億円 ÷ 1,000万個 = 1,000円

ここで、モノの量(1,000万個)があまり増えないのに、政府・中央銀行の政策などでお金の総量だけが 1,000億円 → 1,200億円(+20%)に増えたら、

1個あたりの平均価格 ≒ 1,200億円 ÷ 1,000万個 = 1,200円

→ 平均価格が 1,000円→1,200円(+20%)
これがインフレーションのイメージ(※現実はもっと複雑だけど、基本の方向性はこれ)。

 

3) 社会はインフレーションと失業の短期的なトレードオフに直面する

短期では、景気を強くすると(需要を増やすと)失業が減りやすいが、物価上昇が強まりやすい、という関係が起きがち。

例:現在の状態

  • 失業率:6%
  • インフレ率:1%

政府・中央銀行が景気刺激(利下げや財政支出)をして需要を増やすと、短期には

企業の売上↑ → 生産↑ → 雇用↑
→ 失業率:6% → 4% に改善

でも需要が強く、値上げもしやすくなる
→ インフレ率:1% → 3% に上昇

→ 短期的には「失業率を下げる」ために「インフレ率が上がる」方向に動きやすいので、社会はこのトレードオフに悩む。

※ただし重要ポイント:この関係は短期の話で、長期では人々の予想(期待インフレ)も変わって、単純なトレードオフが成り立ちにくくなることがあります。