1.1 消費者パート – 問題11(解答・解説)
解答
正解は 2 です。
この問題のポイント
この問題では、顕示選好の弱公準(WARP)に矛盾するかどうかを判断します。
WARP の基本的な考え方は、
「あるとき A と B の両方が買えたのに A を選んだなら、別の機会に A も買えるのに B を選んではいけない」
というものです。
与えられている条件
当初の予算線は
\[
l: x+y=10
\]
このとき選ばれた消費点は
\[
A=(8,2)
\]
その後、価格変化で予算線は
\[
m: 0.5x+y=6
\]
となり、そのとき選ばれた消費点は
\[
B=(4,4)
\]
まず、当初の予算線 \(l\) の下で B が買えるかを確認する
予算線 \(l\) は
\[
x+y=10
\]
です。
点 \(B=(4,4)\) を代入すると、
\[
4+4=8
\]
となります。
これは 10 以下なので、B は当初の予算線の下で購入可能です。
しかし実際には、そのとき消費者は B ではなく A を選んでいます。
つまり、A は B に顕示選好されていることになります。
次に、新しい予算線 \(m\) の下で A が買えるかを確認する
新しい予算線 \(m\) は
\[
0.5x+y=6
\]
です。
点 \(A=(8,2)\) を代入すると、
\[
0.5 \times 8 + 2 = 4 + 2 = 6
\]
となります。
よって、A は新しい予算線の下でも購入可能です。
それなのに実際には、そのとき消費者は A ではなく B を選んでいます。
つまり、今度はB が A に顕示選好されていることになります。
なぜ WARP に違反するのか
まとめると、
- 当初の予算線 \(l\) では、B も買えるのに A を選んだ
- 新しい予算線 \(m\) では、A も買えるのに B を選んだ
これは、
「A を選んだのに、あとで A も買える状況で B を選んでいる」
ことになるので、WARP に矛盾します。
各選択肢の判定
1. WARPに矛盾しない。なぜなら \(B\) は当初の予算線 \(l\) の下では購入不可能だから。
→ 誤りです。
\(B=(4,4)\) については
\[
4+4=8
\]
なので、\(l\) の下で購入可能です。
2. WARPに矛盾する。なぜなら \(l\) の下では \(B\) が購入可能なのに \(A\) が選ばれ、\(m\) の下では \(A\) が購入可能なのに \(B\) が選ばれているから。
→ 正しいです。
3. WARPに矛盾しない。なぜなら \(A\) と \(B\) は交点の左右にあるだけで、顕示選好は判定できないから。
→ 誤りです。
交点の左右にあるかどうかではなく、相手の点がその予算の下で買えるかどうかで判定します。今回は両方とも確認できます。
4. 判断できない。WARPを使うには効用関数の形を先に知らなければならないから。
→ 誤りです。
WARP は実際に選ばれた消費点と予算集合から判定するので、効用関数を知らなくても判断できます。
当初は B も買えるのに A を選び、その後は A も買えるのに B を選んでいるため、
この選択行動は WARP に矛盾します。
したがって、正解は 2です。