3章 – 演習と応用2
a.生産可能な組合せ
労働者は各国 \(1\text{億}\)人である。自動車部門に投入する労働者数を \(L_C\) 人とすると、生産量は次で与えられるのである。
アメリカ:自動車 \(=4L_C\)(台)、穀物 \(=10(1\text{億}-L_C)\)(トン)である。
日本:自動車 \(=4L_C\)(台)、穀物 \(=5(1\text{億}-L_C)\)(トン)である。
代表点として \(L_C=0,\,2{,}500\text{万},\,5{,}000\text{万},\,7{,}500\text{万},\,1\text{億}\) を用いるのである。
表(単位:自動車=億台、穀物=億トン)である。
労働者は各国1億人である。自動車部門に投入する労働者数を (L_C) 人とすると、生産量は次で与えられる。
- アメリカ:自動車 (=4L_C)(台)、穀物 (=10(1億-L_C))(トン)
- 日本:自動車 (=4L_C)(台)、穀物 (=5(1億-L_C))(トン)
代表点として (L_C=0, 2,500万, 5,000万, 7,500万, 1億) を用いるのである。
表(単位:自動車=億台、穀物=億トン)である。
アメリカ
| 自動車部門労働者(百万人) | 自動車(億台) | 穀物(億トン) |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 10 |
| 25 | 1 | 7.5 |
| 50 | 2 | 5 |
| 75 | 3 | 2.5 |
| 100 | 4 | 0 |
日本
| 自動車部門労働者(百万人) | 自動車(億台) | 穀物(億トン) |
|---|---|---|
| 0 | 0 | 5 |
| 25 | 1 | 3.75 |
| 50 | 2 | 2.5 |
| 75 | 3 | 1.25 |
| 100 | 4 | 0 |
b.アメリカと日本の生産可能性フロンティア(PPF)の図示
端点は以下である。
- アメリカ:((自動車, 穀物)=(0,10億)) と ((4億,0))
- 日本:((自動車, 穀物)=(0,5億)) と ((4億,0))
PPFはいずれも直線である。
c.機会費用
労働1人年を共通資源として計算するのである。
アメリカ
- 自動車1台の機会費用:自動車4台/人年より、1台は (1/4) 人年である。その労働を穀物に回すと (10×(1/4)=2.5) トンである。
→ 自動車1台の機会費用は穀物2.5トンである。 - 穀物1トンの機会費用:穀物10トン/人年と自動車4台/人年より、1トンは自動車 (4/10=0.4) 台に相当する。
→ 穀物1トンの機会費用は自動車0.4台である。
日本
- 自動車1台の機会費用:(5×(1/4)=1.25) トンである。
→ 自動車1台の機会費用は穀物1.25トンである。 - 穀物1トンの機会費用:(4/5=0.8) 台である。
→ 穀物1トンの機会費用は自動車0.8台である。
機会費用の表
| 国 | 自動車1台の機会費用(穀物トン) | 穀物1トンの機会費用(自動車台) |
|---|---|---|
| アメリカ | 2.5 | 0.4 |
| 日本 | 1.25 | 0.8 |
d.絶対優位
自動車:両国とも 4台/人年で同一であり,絶対優位は同率である。
穀物:アメリカ 10トン/人年,日本 5トン/人年である。
→ 穀物はアメリカが絶対優位である。
e.比較優位
比較優位は機会費用が小さい国である。
自動車:アメリカ 2.5トン/台,日本 1.25トン/台である。
→ 自動車は日本が比較優位である。
穀物:アメリカ 0.4台/トン,日本 0.8台/トンである。
→ 穀物はアメリカが比較優位である。
f.貿易なし:労働者の半分ずつを各財に配分
各国で自動車に 5,000万人,穀物に 5,000万人を配分する。
アメリカ:自動車
5,000万×4=2億
5,000万×4=2億 台,穀物
5,000万×10=5億
5,000万×10=5億 トンである。
日本:自動車
5,000万×4=2億
5,000万×4=2億 台,穀物
5,000万×5=2.5億
5,000万×5=2.5億 トンである。
g.貿易により両国の厚生が改善する具体例
比較優位に従い,アメリカは穀物,日本は自動車に特化する。
特化後の生産
アメリカ:穀物
1億×10=10億
1億×10=10億 トン,自動車0台である。
日本:自動車
1億×4=4億
1億×4=4億 台,穀物0トンである。
交易条件を 自動車1台=穀物2トン とする(これは 1.25 と 2.5 の間であり双方に利益がある条件である)。
日本がアメリカへ 2億台 輸出し,見返りにアメリカが日本へ 4億トン(=2億台×2トン)輸出する。
すると貿易後の消費は次となる。
アメリカ:自動車 2億台,穀物 6億トン(10億−4億)である。
日本:自動車 2億台(4億−2億),穀物 4億トンである。
自給(f)と比べると,両国とも自動車は同量(2億台)のまま,穀物が増加している。ゆえにこの例では貿易により両国の厚生が改善しているのである。
