比較優位にもとづく交易で双方が利益(交易利益)を得るには、交易価格(交換比率=交易条件)が両者の機会費用(自給自足下の相対価格)に挟まれる範囲に入る必要があるのである。

たとえば財 \(X\) と財 \(Y\) を交換し、Aが \(X\) に比較優位(=Aの \(X\) の機会費用が低い)だとすると、次が成立する必要があるのである。

\[
\text{OC}_A(X) \lt \frac{p_X}{p_Y} \lt \text{OC}_B(X)
\]

  • \(\text{OC}_A(X)\):Aにとって「\(X\) 1単位を作るのに諦める \(Y\) の量」(Aの機会費用)である。
  • \(\text{OC}_B(X)\):Bの同様の機会費用である。
  • \(\frac{p_X}{p_Y}\):交易で成立する相対価格(交換比率)である。

直感的には次のとおりである。

  • 輸出国(A)にとって:輸出財 \(X\) の価格が「国内(自給)より有利」=相対価格 \(\frac{p_X}{p_Y}\) が自国の機会費用 \(\text{OC}_A(X)\) より高いのである。
  • 輸入国(B)にとって:輸入する \(X\) が「国内で作るより安い」=相対価格 \(\frac{p_X}{p_Y}\) が自国の機会費用 \(\text{OC}_B(X)\) より低いのである。

この「間」に入っていれば、両者とも自国の比較優位財に特化して、交易で得をするのである。