2章 – 理解度確認テスト7
7.生産可能性フロンティアを用いて効率性の概念を説明しなさい。
生産可能性フロンティア(PPF)による効率性の説明
生産可能性フロンティア(PPF)とは、一定の資源量と技術の下で実現可能な生産量の組合せのうち、達成可能な最大の集合を示す境界である。ミルクとクッキーのように二財を想定し、横軸にクッキー、縦軸にミルクをとると、PPFは右下がりの曲線として表される。
PPFを用いると、効率性(efficiency)は主に次の意味で説明できる。
1. 生産効率性(技術的効率性)
PPF上の点は、生産効率的である。これは、資源が完全雇用され、与えられた資源と技術の下で生産量が最大化されている状態を意味する。言い換えると、PPF上にあるときは、ある財の生産量を増やすには、必ず他方の財の生産量を減らさなければならない。すなわち、追加生産にはトレードオフが伴うのである。
これに対して、PPFの内側の点は非効率である。内側に位置する場合、失業や設備の遊休、資源配分の歪みなどにより資源が十分に活用されていない。したがって、他方の財を減らさずに一方の財を増やす余地が残されている。つまり、PPF内側では「無駄」が存在するのである。
2. 到達不可能性(現状での非実現領域)
PPFの外側の点は、現時点の資源量と技術では到達不可能である。外側の点を実現するには、資源の増加(労働力・資本の増加など)や技術進歩が必要となる。
3. 効率性と機会費用の関係
PPF上で一方の財を増やす際に犠牲となる他方の財の量が機会費用である。PPFが通常、原点に対して凹の形状になるのは、生産要素の代替が完全でないため、特定の財に生産を偏らせるほど機会費用が逓増することを表している。これは、効率的な選択が常に「何かを諦める」形で成立していることを示す。
以上より、PPFは「効率的な生産が成立する境界(PPF上)」と「資源の未活用による非効率(PPF内側)」、そして「現状では不可能(PPF外側)」を明確に区別する道具であり、効率性の概念を直観的かつ体系的に説明する枠組みである。