1.1 消費者パート – 問題14(解答・解説)
解答
正解は (2) です。
問題のポイント
この問題は、2期間の消費選択の問題です。
消費者は、第1期の消費 \(c_1\) と第2期の消費 \(c_2\) を選びます。
与えられている条件は次のとおりです。
- 効用関数:\[
U=\ln c_1+\frac{1}{2}\ln c_2
\] - 第1期所得:\(y_1=60\)
- 第2期所得:\(y_2=120\)
- 利子率:\(r=1\)
利子率 \(r=1\) とは、100% の利子率という意味です。
つまり、第1期に 1 借りると、第2期に 2 返さなければなりません。
1. 予算制約を求める
2期間の予算制約は
\[
c_1+\frac{c_2}{1+r}=y_1+\frac{y_2}{1+r}
\]
です。
今回は \(r=1\) なので
\[
1+r=2
\]
です。したがって、
\[
c_1+\frac{c_2}{2}=60+\frac{120}{2}
\]
\[
c_1+\frac{c_2}{2}=60+60=120
\]
となります。
これを \(c_2\) について解くと、
\[
c_2=240-2c_1
\]
です。
よって、予算線は
\[
c_2=240-2c_1
\]
となります。
2. 最適消費点を求める
効用関数は
\[
U=\ln c_1+\frac{1}{2}\ln c_2
\]
です。
限界効用を求めると、
\[
MU_1=\frac{\partial U}{\partial c_1}=\frac{1}{c_1}
\]
\[
MU_2=\frac{\partial U}{\partial c_2}=\frac{1}{2}\cdot\frac{1}{c_2}
\]
です。
最適点では、無差別曲線の傾きと予算線の傾きが一致するので、
\[
\frac{MU_1}{MU_2}=1+r
\]
が成り立ちます。
これに代入すると、
\[
\frac{1/c_1}{(1/2)(1/c_2)}=2
\]
\[
\frac{2c_2}{c_1}=2
\]
\[
\frac{c_2}{c_1}=1
\]
\[
c_2=c_1
\]
となります。
これを予算制約
\[
c_1+\frac{c_2}{2}=120
\]
に代入すると、
\[
c_1+\frac{c_1}{2}=120
\]
\[
\frac{3}{2}c_1=120
\]
\[
c_1=80
\]
です。
したがって
\[
c_2=80
\]
です。
よって、最適消費点は
\[
(c_1,c_2)=(80,80)
\]
です。
3. 借り入れか貯蓄かを確認する
第1期所得は
\[
y_1=60
\]
ですが、第1期の最適消費は
\[
c_1=80
\]
です。
つまり、第1期には所得より
\[
80-60=20
\]
だけ多く消費しています。
したがって、この消費者は第1期に 20 だけ借り入れることになります。
各選択肢の判定
(1) 最適消費は \((60,120)\) である。
→ 誤りです。
これは単に所得をそのまま各期に消費した場合であり、最適化の結果ではありません。
(2) 最適消費は \((80,80)\) であり、第1期には20だけ借り入れる。
→ 正しいです。
(3) 最適消費は \((80,80)\) であり、第1期には20だけ貯蓄する。
→ 誤りです。
第1期消費 \(80\) は第1期所得 \(60\) より大きいので、貯蓄ではなく借り入れです。
(4) 最適消費は \((90,60)\) である。
→ 誤りです。
予算制約も満たしますが、効用最大にはなっていません。
結論
予算制約は
\[
c_2=240-2c_1
\]
であり、最適消費点は
\[
(c_1,c_2)=(80,80)
\]
です。
また、第1期には
\[
80-60=20
\]
だけ借り入れるので、正解は (2) です。
試験でのコツ
このタイプの問題では、次の順番で解くと分かりやすいです。
- まず予算制約を書く
- 次に限界効用を求める
- \(\frac{MU_1}{MU_2}=1+r\) を使って最適条件を立てる
- 最後に、\(c_1\) と \(y_1\) を比べて借り入れか貯蓄かを判断する