1.1 消費者パート – 問題9(解答・解説)
解答
正解は 3 です。
解説
この問題では、1日の総時間 24 時間を
「余暇」と「労働」に分けています。
労働時間は
\( 24 – L \)
で表されます。
図では、賃金上昇前の最適点が E0、賃金上昇後の最適点が E1 です。
- E0 では余暇時間が \( L=8 \) なので、労働時間は \( 24-8=16 \) 時間
- E1 では余暇時間が \( L=14 \) なので、労働時間は \( 24-14=10 \) 時間
つまり、賃金が上がったあと、余暇は 8 時間から 14 時間へ増え、労働時間は 16 時間から 10 時間へ減っています。
1. 代替効果はどう働くか
賃金が上がると、1時間休むことの意味は大きくなります。
なぜなら、その1時間を働けば、以前より多くの収入を得られるからです。
したがって、余暇の機会費用は上がります。
その結果、代替効果では
「余暇を減らして、労働を増やそう」
という方向に動きます。
代替効果:
余暇 ↓ 労働 ↑
2. 所得効果はどう働くか
一方で、賃金が上がると、同じ時間働いてもより多くの所得を得られます。
すると人は「前より豊かになった」と感じます。
余暇をふつうの財(正常財)と考えると、
所得が増えた人は余暇ももっと欲しくなります。
そのため、所得効果では
「労働を減らして、余暇を増やそう」
という方向に動きます。
所得効果:
余暇 ↑ 労働 ↓
3. この図ではどちらが強いか
図では最適点が E0 から E1 に移り、実際に余暇は増えています。
ということは、
代替効果よりも所得効果のほうが強く出た
ことを意味します。
つまり、
「賃金上昇によって本来は余暇を減らしたくなる(代替効果)」けれども、
「所得が増えて豊かになったので余暇を増やしたくなる(所得効果)」のほうが強く、
最終的には余暇が増えた、ということです。
各選択肢の判定
- 誤り
賃金上昇で余暇の機会費用は下がるのではなく、上がります。
したがって、代替効果で余暇が増える、という説明は間違いです。 - 誤り
代替効果は労働を増やす方向に働きますが、
所得効果は余暇を増やし労働を減らす方向に働きます。
両方とも労働時間を増やすわけではありません。 - 正しい
賃金上昇では、代替効果は
余暇を減らし、労働時間を増やす
方向に働きます。
しかし、この図では所得効果のほうが強いため、
最終的に余暇が増え、労働時間は減っています。 - 誤り
予算線が外側に回転しても、最適点が必ず左に移るとは限りません。
代替効果と所得効果のどちらが強いかによって、
余暇が減ることもあれば、増えることもあります。
この問題のポイントは、
賃金上昇には「代替効果」と「所得効果」の2つがある
ということです。
- 代替効果:余暇を減らし、労働を増やす
- 所得効果:余暇を増やし、労働を減らす
図では E0 から E1 へ移った結果、余暇が増えているので、
所得効果が代替効果を上回ったとわかります。
よって、正解は 3 です。