1.1.1 無差別曲線と効用関数 – 問題4(解答・解説)

問題4の解説

答え

(4)

この図からまずわかること

図の無差別曲線は、すべて平行な直線です。
したがって、この選好は

  • 無差別曲線の傾きがどこでも同じ
  • 限界代替率が一定

という特徴をもっています。
また、上にある無差別曲線ほど効用が高いので、

$$
U_3 > U_2 > U_1
$$

という関係です。

(1) の確認

$A$ と $B$ はどちらも $U_2$ 上の点です。
実際、図のコードでは $U_2$ は

$$
y=8-\frac{1}{2}x
$$

です。
$A$ については

$$
7=8-\frac{1}{2}\cdot 2
$$

$B$ については

$$
5=8-\frac{1}{2}\cdot 6
$$

となるので、たしかに両方とも $U_2$ 上にあります。
したがって、$A$ と $B$ は同じ効用水準を与えます。
よって (1) は正しいです。

(2) の確認

この図の無差別曲線の傾きはすべて

$$
-\frac{1}{2}
$$

です。
たとえば $A$ と $B$ を使うと、

$$
\frac{\Delta y}{\Delta x}
=
\frac{5-7}{6-2}
=
\frac{-2}{4}
=
-\frac{1}{2}
$$

となります。
無差別曲線の傾きは

$$
-\text{MRS}
$$

なので、限界代替率は

$$
\text{MRS}=\frac{1}{2}
$$

です。
しかも無差別曲線は直線なので、この値はどの点でも一定です。
したがって (2) は正しいです。

(3) の確認

$$
u(x,y)=x+2y
$$

という効用関数を考えると、無差別曲線は

$$
x+2y=\bar{u}
$$

です。
これを $y$ について解くと、

$$
y=\frac{\bar{u}}{2}-\frac{1}{2}x
$$

となります。
これは、図の無差別曲線と同じく、傾き $-\dfrac{1}{2}$ の直線です。
したがって、この図と整合的です。

点でも確認できます。

$$
u(A)=2+2\cdot 7=16
$$

$$
u(B)=6+2\cdot 5=16
$$

$$
u(C)=8+2\cdot 6=20
$$

$$
u(D)=4+2\cdot 3=10
$$

つまり

  • $A$ と $B$ は同じ効用
  • $C$ はそれより高い
  • $D$ はそれより低い

ので、図と一致します。
よって (3) は正しいです。

(4) の確認

これが誤りです。

まず

$$
v(x,y)=3x+6y
$$

$$
v(x,y)=3(x+2y)
$$

なので、$u(x,y)=x+2y$ を正の数 $3$ 倍しただけです。
したがって、$u$ と $v$ は同じ選好を表します。
ここまでは選択肢どおりで正しいです。

次に

$$
w(x,y)=(x+2y)^2
$$

を考えます。
これは $u(x,y)=x+2y$ を2乗したものです。
この問題では図の範囲でも $x\ge 0,\ y\ge 0$ なので、

$$
x+2y\ge 0
$$

です。
非負の範囲では、2乗は値の大小関係を変えません。
つまり、

  • $u(A)>u(B)$ なら $w(A)>w(B)$
  • $u(A)=u(B)$ なら $w(A)=w(B)$

です。
したがって、$w$ も $u$ と同じ選好を表します。
だから、

$w(x,y)=(x+2y)^2$ は (3) と同じ選好を表さない

という部分が誤りです。
よって (4) が答えです。

(5) の確認

$D$ は $(4,3)$、$A$ は $(2,7)$ です。
$D$ から $A$ へ移ると、

  • $X$ 財は $4\to 2$ なので減少
  • $Y$ 財は $3\to 7$ なので増加

しています。
ここで効用関数 $u(x,y)=x+2y$ を使うと、

$$
u(D)=4+2\cdot 3=10
$$

$$
u(A)=2+2\cdot 7=16
$$

です。
よって、$D$ から $A$ に移ると効用は上昇します。
したがって (5) は正しいです。

各選択肢を整理すると

  • (1) 正しい
    → $A$ と $B$ は同じ無差別曲線 $U_2$ 上にある
  • (2) 正しい
    → 直線型なので MRS は一定で、値は $\dfrac{1}{2}$
  • (3) 正しい
    → $u(x,y)=x+2y$ は図と整合的
  • (4) 誤り
    → $(x+2y)^2$ も同じ選好を表す
  • (5) 正しい
    → $X$ は減るが $Y$ が増え、全体として効用は上昇する