[スティグリッツ]おすすめ本,教科書(ノーベル経済学,資本主義,不平等)
スティグリッツ書籍一覧
ランキング
1. スティグリッツ マクロ経済学(第4版) / ジョセフ・E・スティグリッツ、カール・E・ウォルシュ 他
2. スティグリッツ ミクロ経済学(第4版) / ジョセフ・E・スティグリッツ、カール・E・ウォルシュ 他
3. 世界の99%を貧困にする経済 / ジョセフ・E・スティグリッツ、楡井浩一 他
4. 世界を不幸にしたグローバリズムの正体 / ジョセフ・E. スティグリッツ、Joseph E. Stiglitz 他
5. スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM(プログレッシブ キャピタリズム): 利益はみんなのために / ジョセフ E スティグリッツ、山田 美明
6. スティグリッツ 公共経済学(第3版)上 / ジョセフ・E・スティグリッツ、ジェイ・K・ローゼンガード、藪下 史郎
7. スティグリッツ 公共経済学(第3版)下 / ジョセフ・E・スティグリッツ、ジェイ・K・ローゼンガード、藪下 史郎
8. スティグリッツのラーニング・ソサイエティ―生産性を上昇させる社会 / ジョセフ・E・スティグリッツ、ブルース・C・グリーンウォルド 他
9. これから始まる「新しい世界経済」の教科書: スティグリッツ教授の / ジョセフ・E. スティグリッツ、Joseph E. Stiglitz 他
10. スティグリッツ早稲田大学講義録 グローバリゼーション再考 / 藪下 史郎、荒木 一法
11. 欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦: コロナ危機の本質 / 丸山 俊一、NHK「欲望の資本主義」制作班
12. 世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す / ジョセフ・E. スティグリッツ、Joseph E. Stiglitz 他
スティグリッツの業績
ジョセフ・E・スティグリッツは、現代経済学のなかでも「市場は情報が不完全だとどう壊れるのか」を理論と政策の両面から押し広げた代表的な経済学者です。2001年には、ジョージ・アカロフ、マイケル・スペンスとともに「情報の非対称性がある市場の分析」によりノーベル経済学賞(経済学のノーベル記念賞)を受賞しました。ノーベル財団の解説でも、彼の研究は保険市場を例にしたスクリーニング/自己選択の分析に加え、失業や最適課税など幅広い分野へ影響を与えたと整理されています。
また、スティグリッツの大きな特徴は、純粋理論にとどまらず「政策の現場」に深く入ったことです。クリントン政権では大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長に就き(1995年のホワイトハウス発表で確認できます)、その後は世界銀行のチーフエコノミスト兼上級副総裁(1997–2000)を務めました。コロンビア大学の公式プロフィールでも、この経歴に加えて、2008年以降の金融・社会指標改革(サルコジ政権下の委員会、国連総会の金融システム改革委員会など)への関与が明記されており、「学術→政策→制度設計」という流れが彼のキャリアの芯になっています。
ご質問の「制作サイド」は、おそらく政策・発信サイドの意味合いだと解釈すると、直近のスティグリッツはまさにその領域で活発です。コロンビア大学の最新プロフィールでは、ICRICT(国際法人課税改革の独立委員会)共同議長、Roosevelt Institute のチーフエコノミスト、さらに南アフリカG20議長国が任命した世界資産格差に関する独立専門家委員会の議長など、政策提言色の強い役割を現在も担っています。加えて、2024年には The Road to Freedom を刊行し、自由・民主主義・経済秩序をめぐる議論を継続しています。
言論活動の面でも、彼は「長期連載型」の影響力を持っています。Project Syndicate のプロフィールでは、2001年から寄稿を続け、2026年時点で363本のコメンタリーを公表しているとされます。直近の一覧を見るだけでも、パンデミックと格差、国際課税、米国の覇権や民主主義と資本主義の関係など、テーマはかなり広く、いわゆる経済理論の解説者というより、世界経済の制度設計と政治経済の論客として活動していることが分かります。2024年のインタビューでも、インフレ、新自由主義、そして新著の中心概念である「自由」をめぐって現代政治経済の論点を前面に出しています。
日本との関わりも、単発の来日講演というより、政策対話・国際協力・開発研究を軸にした継続性があります。たとえば2013年にはTICAD Vに関連して来日し、外務省記録では安倍首相との会談で、JICAとアフリカ諸国の発展研究を進めていること、日本のアジア成長への役割への評価、そしてアベノミクスへの言及が記されています。2016年には伊勢志摩G7を前に、首相官邸の「国際金融経済分析会合」に招かれ、日本の経済政策について意見交換しています。
スティグリッツ 資本主義と自由
市場に任せることだけを「自由」とみなす発想を問い直し、自由・公正・民主主義を両立させる制度設計を考える本です。東洋経済の紹介でも、少数のために多数を犠牲にする“自由”でよいのか、という問題提起が前面に出されています。目次を見ると、公共財・社会契約・競争・社会正義・搾取・新自由主義の失敗などを経て、「進歩的資本主義」や民主主義の再建へ議論を進める構成です。原題は The Road to Freedom で、日本語版はその問題意識を現在の政治経済に引きつけて読める一冊です。
スティグリッツ入門経済学
ミクロ経済学とマクロ経済学を切り分けすぎず、統一的に学べる入門テキストとして作られた一冊です。東洋経済の説明では、市場メカニズムを重視しつつも、市場の不完全性や限界をはっきり認識する「新しい経済学」の姿勢が強調されています。とくにスティグリッツの強みである「情報の経済学」の視点が各所に取り込まれているのが特徴です。日本語版には金融危機・環境危機を扱う特別章「グローバル危機」も含まれており、入門書ながら現代的な論点に接続しやすい構成です。
スティグリッツ マクロ経済学
マクロ経済学の標準テキストとして、理論だけでなく「現実の政策」を読み解く力まで意識した教科書です。第4版では、各国中央銀行で採用されている近年のアプローチを前提に議論を展開し、金融政策もマネーサプライ管理より利子率操作の観点を含めて説明しています。高度な話題は「トピックス」で補いながら、新聞やニュースで見る政策判断を理解・議論できるよう配慮されている点も使いやすいところです。基礎から応用まで一気通貫で学べる、実務感覚のあるマクロ教科書という位置づけです。
スティグリッツ ミクロ経済学
スティグリッツ経済学シリーズのミクロ編で、初版以来の定番テキストの改訂版です。説明の軸には「情報」「不完全市場」「イノベーション」「技術」が置かれており、非対称情報の経済学を重視するスティグリッツらしい構成になっています。第4版では行動経済学の考え方をより取り入れ、消費者選択や資本市場の分析の扱いが強化されています。標準理論だけでなく、現実の市場がなぜ教科書どおりに動かないのかまで考えやすい一冊です。
世界の99%を貧困にする経済
「1%対99%」という構図で、格差拡大のメカニズムとアメリカ経済の歪みを鋭く批判する本です。徳間書店の紹介でも、ウォール街占拠運動に触れながら、99%の貧困層と1%の富裕層を生む社会構造の暗部を追及する内容として紹介されています。スティグリッツの格差論の中でも、問題提起の強さと一般読者への訴求力が高い一冊です。単なる告発にとどまらず、不平等を生む制度・政策の見直しを考える入口にもなります。
世界を不幸にしたグローバリズムの正体
原題 Globalization and its discontents の邦訳で、スティグリッツのグローバリズム批判を広く知らしめた代表作です。書誌情報では徳間書店刊(2002年)とされ、WTO・IMF・世界銀行などの国際経済機関が介入した地域で何が起きたか、誰が利益を得たかを問う内容として紹介されています。とくに、大国のダブルスタンダードに左右されるグローバル化の問題を、元世界銀行チーフエコノミストの立場から批判的に描く点が核です。グローバル化それ自体よりも、その運営のされ方を問う本として読むと理解しやすいです。
スティグリッツ PROGRESSIVE CAPITALISM(プログレッシブ キャピタリズム): 利益はみんなのために
市場原理主義の行き過ぎを批判しつつ、「資本主義をどう立て直すか」を提案する政策色の強い本です。東洋経済の紹介では、富裕層や大企業に偏った政治経済を、公正なルールによって再生する方策を示す内容としてまとめられています。目次も、分断・市場支配力・金融危機・テクノロジーの課題を分析したうえで、民主主義の回復や万人に仕事・チャンスを提供する経済の再建へ進む構成です。格差批判の延長線上で「それでも資本主義にできること」を考える本といえます。
スティグリッツ 公共経済学 上
公共部門の役割と公共支出を、厚生経済学の基礎から丁寧に学ぶための本格テキストです。東洋経済の紹介でも、公共部門の経済行動や公共支出の問題をやさしく解説するロングセラーの改訂版(原著第4版の翻訳)として位置づけられています。上巻の目次は、公共部門の役割、厚生経済学、市場の失敗、公共財、外部性・環境問題、効率と公平、そして公共支出の評価や医療・教育・社会保障までを広くカバーしています。政策論に進む前の理論土台をしっかり固めたい人向けの上巻です
スティグリッツ 公共経済学 下
下巻は、とくに租税理論と地方財政に重心を置いた構成で、税制設計の考え方を体系的に学べます。東洋経済の紹介でも「効率性と公平性を両立させる税制とは?」という問いが前面に出され、租税と財政政策の問題をやさしく解説する巻として紹介されています。目次では、租税の入門、税負担の帰着、税と効率性、最適課税、資本課税に加え、所得税・法人税、節税と税制改革、地方財政まで扱います。公共経済学の中でも、税と制度設計に関心がある人に特に刺さる内容です。
スティグリッツのラーニング・ソサイエティ―生産性を上昇させる社会
経済成長の源泉を「学習(ラーニング)」に置き、市場任せではイノベーションや生産性向上は十分に起きないと論じる本です。東洋経済の説明では、成長・開発・生活水準向上のための新しいアプローチとして、学習を続ける社会の構築を政策提言する内容とされています。目次を見ると、企業環境・市場構造・幼稚産業保護・産業貿易政策・金融政策・マクロ政策・知的財産権まで、かなり広く政策論が展開されています。新自由主義批判と産業政策論を、より理論的に掘り下げて読みたい人向けの一冊です。
これから始まる「新しい世界経済」の教科書: スティグリッツ教授の
これから経済を学ぶ人や、ニュースの背景を理解したい人向けに、現代経済の論点をやさしく整理した入門寄りの本です。徳間書店の紹介では、資本主義の危機、巨大格差、移民問題、企業モラルの低下、対立や紛争、グローバル化の問題などを取り上げ、既存の経済学の誤りと新たな枠組みをわかりやすく示す内容とされています。スティグリッツ単独の重厚な著作よりも、論点の見取り図をつかみやすいタイプの一冊です。タイトルどおり、世界経済をこれから学び直したい人の“最初の一歩”として使いやすい本だと思います。
スティグリッツ早稲田大学講義録 グローバリゼーション再考
早稲田大学でのスティグリッツの講義を収録し、その背景理論まで解説した新書です。紀伊國屋の内容説明では、講義の記録に加えて理論的背景を丁寧に解説し、グローバリゼーションへの反感や不平等の持続、IMFの自由化政策の矛盾、アメリカ型資本主義の問題点、国際機関改革の必要性を論じる構成だと紹介されています。目次も「講義録」「講義解説」「スティグリッツの経済学とグローバリゼーション」の3部構成で、講演だけで終わらない学習用の作りです。スティグリッツの問題意識をコンパクトに掴むにはかなり良い入口です。
欲望の資本主義4 スティグリッツ×ファーガソン 不確実性への挑戦: コロナ危機の本質
NHK番組「欲望の資本主義」シリーズの書籍化作品で、スティグリッツと歴史学者ファーガソンの議論を軸にした一冊です。東洋経済の紹介では、コロナ危機、格差拡大、米中の経済戦争、環境問題など、不確実性が増す時代に日本と世界がどこへ向かうのかを展望する内容としてまとめられています。番組未放送部分も多数収録されている点が特徴で、専門書というより「現代世界の論点を知の巨人の対話で読む」タイプの本です。理論と歴史の二つの視点を並べて考えたい人に向いています。
世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す
グローバル化が本来は広い恩恵をもたらすはずだったのに、実際には世界規模の格差を拡大させたのはなぜかを問う本です。紀伊國屋の出版社内容情報では、自由化・民営化を旗印にしたグローバル化のからくりを暴き、すべての人に利益をもたらす新システムを提言する内容として紹介されています。目次からも、不公正な貿易ルール、知的財産権、天然資源、温暖化、多国籍企業、債務危機、外貨準備システムなど、制度面の論点を幅広く扱うことが分かります。『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』の問題提起を踏まえて、より具体的な改革案へ踏み込む本として読むとつながりが見えやすいです。
