3章 – 演習と応用7
7.
ドイツの労働者は自動車1台に400時間、ワイン1ケースに2時間を要する。フランスの労働者は自動車1台に600時間、ワイン1ケースに\(X\)時間を要する。
機会費用の計算
ドイツ
-
自動車1台(400時間)で作れるワインは \(\frac{400}{2}=200\) ケースである。
よって 自動車1台の機会費用はワイン200ケースである。 -
ワイン1ケース(2時間)で作れる自動車は \(\frac{2}{400}=\frac{1}{200}\) 台である。
よって ワイン1ケースの機会費用は自動車\(\frac{1}{200}\)台である。
フランス
-
自動車1台(600時間)で作れるワインは \(\frac{600}{X}\) ケースである。
よって 自動車1台の機会費用はワイン\(\frac{600}{X}\)ケースである。 -
ワイン1ケース(\(X\)時間)で作れる自動車は \(\frac{X}{600}\) 台である。
よって ワイン1ケースの機会費用は自動車\(\frac{X}{600}\)台である。
a.\(X\)がどの範囲であれば貿易による便益を得られるか
貿易による便益が生じるのは、両国の機会費用が異なり、比較優位が分かれる場合である。機会費用が等しいときは比較優位が成立せず、専門化による追加的便益が生じない。
機会費用が等しい条件は次のとおりである。
\[
200=\frac{600}{X}
\Rightarrow X=3
\]
したがって、\(X\)は時間であるから通常 \(X>0\) として、
- \(X\neq 3\) のとき、比較優位が分かれ、貿易による便益が得られる。
- \(X=3\) のとき、機会費用が等しく、貿易による便益は生じない(少なくとも比較優位に基づく利益は生じない)。
結論として、\(X>0\) かつ \(X\neq 3\) の範囲で貿易便益が得られる。
b.\(X\)がどの範囲であればドイツが自動車を輸出し、ワインを輸入するか
ドイツが自動車を輸出するためには、ドイツが自動車の比較優位を持つ必要がある。すなわち、ドイツの自動車1台の機会費用(ワイン200ケース)が、フランスのそれ(ワイン\(\frac{600}{X}\)ケース)より小さいことが条件である。
\[
200<\frac{600}{X}
\Rightarrow 200X<600
\Rightarrow X<3
\]
- \(0<X<3\) のとき、ドイツは自動車に比較優位を持ち、自動車を輸出しワインを輸入することになる。
- 参考として、\(X>3\) のときは逆にドイツがワインに比較優位を持ち、ワインを輸出し自動車を輸入することになる。