3章 – 演習と応用5
a. 絶対優位と比較優位
生産性(1時間あたり)である。
- イングランド:スコーン50個 or セーター1枚である。
- スコットランド:スコーン40個 or セーター2枚である。
絶対優位(より多く作れる方)
- スコーン:50(英)>40(ス)→ イングランドである。
- セーター:2(ス)>1(英)→ スコットランドである。
機会費用(比較優位の判定に使う)
イングランドである。
- セーター1枚の機会費用:スコーン50個(1時間をセーターに使うとスコーン50個を失う)である。
- スコーン1個の機会費用:セーター \(\frac{1}{50}\) 枚である。
スコットランドである。
- セーター1枚の機会費用:スコーン20個(2枚=40個なので1枚=20個)である。
- スコーン1個の機会費用:セーター \(\frac{1}{20}\) 枚である。
比較優位(機会費用が低い方)
- セーター:20(ス)<50(英)→ スコットランドである。
- スコーン:\(\frac{1}{50}\)(英)<\(\frac{1}{20}\)(ス)→ イングランドである。
b. 貿易するとスコットランドは何を輸出するか
スコットランドはセーターを輸出するのである。理由は、スコットランドはセーターの機会費用が低い(セーター1枚=スコーン20個の犠牲で済む)ので、セーターに特化した方が効率的だからである。逆にイングランドはスコーンの比較優位を持つので、スコーンを多く作って輸出し、セーターを輸入するのが双方に有利である。
c. スコットランドが「1時間にセーター1枚」しか作れない場合、貿易で得するか
変更後の生産性
- イングランド:スコーン50個 or セーター1枚である。
- スコットランド:スコーン40個 or セーター1枚である。
絶対優位
- スコーン:イングランド(50>40)である。
- セーター:同じ(1=1)→ スコットランドは絶対優位なしである。
ただし、比較優位は残るのである(ここが重要である)。
機会費用
- イングランド:セーター1枚=スコーン50個である。
- スコットランド:セーター1枚=スコーン40個である。
→ セーターの機会費用はスコットランドの方が低い(40<50)のである。
→ スコットランドはセーターに比較優位、イングランドはスコーンに比較優位である。
結論:双方とも利益を得られる(可能性がある)
交易条件(セーター1枚の価格=スコーン何個)が
\[
40 < \text{価格} < 50
\]
の範囲なら、次が成立するのである。
- スコットランド:自国でセーター1枚作る犠牲は40個分なので、40個より多いスコーンと交換できれば得である。
- イングランド:自国でセーター1枚作る犠牲は50個分なので、50個未満のスコーンで買えるなら得である。
したがって、スコットランドもイングランドも、適切な交易条件のもとで貿易から利益を得るのである(絶対優位がなくても、比較優位があれば利益が出るのである)。