3章 – 理解度確認テスト4
交易(分業)にとって重要なのは比較優位である。理由は、交易の利益は「生産性の絶対的な強さ」ではなく、機会費用の違いから生まれるからである。
問3の例で説明
(1時間あたり)
- Aさん:文章 10ページ、データ入力 30件
- Bさん:文章 4ページ、データ入力 20件
→ Aさんは両方で多く作れるので、絶対優位はAさんが両方に持っているのである。
でも、機会費用(比較優位)を見ると:
文章1ページの機会費用(失うデータ入力件数)
- Aさん:30/10 = 3件
- Bさん:20/4 = 5件
→ 文章はAさんが比較優位(機会費用が低い)である。
データ入力1件の機会費用(失う文章ページ数)
- Aさん:10/30 = 1/3ページ
- Bさん:4/20 = 1/5ページ
→ データ入力はBさんが比較優位(機会費用が低い)である。
なぜ比較優位が重要か(交易利益が出る仕組み)
Aさんが全部一人でやると、文章も入力も「Aさんの時間」を取り合うのである。
ここで分業して、
- Aさんは文章に特化(入力を減らしてでも文章を作る方が損が小さい)
- Bさんは入力に特化(文章を減らしてでも入力をやる方が損が小さい)
とすると、同じ合計時間でも全体として文章と入力の合計が増えやすいのである。
つまり、Aさんが両方で絶対優位でも、Bさんの方が「入力をやるときの犠牲(機会費用)が小さい」ので、Bさんに入力を任せた方が全体の生産が効率化し、その増えた分を交換(交易)できる、という理屈である。
ポイント
- 絶対優位:誰が「たくさん作れるか」である。
- 比較優位:誰が「より低い機会費用で作れるか」である。
交易の利益を決めるのは比較優位(機会費用の差)である。絶対優位だけ見ても、分業パターンと利益は説明しきれないのである。