2章 – 理解度確認テスト6
6.ミルクとクッキーのみを生産する経済の生産可能性フロンティアを示し、説明しなさい。疫病によって乳牛の半分が死んでしまったとすると、このフロンティアはどう変化するだろうか。
1. 生産可能性フロンティア(PPF)の提示
ミルクとクッキーのみを生産する経済を考える。
横軸にクッキー生産量、縦軸にミルク生産量をとるとき、与えられた資源(労働・土地・設備など)と技術の下で達成可能な最大の組合せの集合が生産可能性フロンティア(PPF)である。
フロンティア上の点:資源がフルに活用され、効率的に生産されている状態である。
フロンティア内側の点:失業や遊休設備などがあり、資源が十分に使われていない非効率な状態である。
フロンティア外側の点:現状の資源・技術では到達不可能である。
通常、PPFは右下がりである。これは、ミルクを増やすにはクッキーに回していた資源をミルクへ振り向ける必要があり、クッキー生産を犠牲にするためである。さらに、多くの場合PPFは外側に膨らんだ(原点に対して凹の)形状になる。これは、生産要素が完全に代替可能ではなく、特化が進むほど追加的にミルクを増やすための機会費用(失われるクッキー量)が大きくなるからである。
2. 疫病で乳牛の半分が死亡した場合のPPFの変化
疫病によって乳牛の半分が死んだという事実は、ミルク生産に直接必要な資本(家畜)・資源が減少したことを意味する。ゆえに、同じ労働や設備があってもミルクの最大生産量が低下する。
このときPPFは次のように変化する。
ミルク軸切片(クッキー0のときの最大ミルク量)が低下する。
乳牛が減るため、ミルクだけに全資源を集中しても以前ほど生産できないからである。
クッキー軸切片は基本的に不変か、影響が小さい可能性が高い。
乳牛の減少がクッキー生産に直接の制約を与えないなら、クッキーだけを作る能力はほぼ変わらないからである(ただし、ミルクがクッキーの材料として不可欠、あるいは農業部門が共通資源を強く取り合う等の条件があるなら、クッキー側も影響を受けうる)。
結果として、PPFは一般にミルク側へ向かうほど内側へシフトする。
図形的には、クッキー軸近くはあまり動かず、ミルク軸近くが大きく内側へ押し込まれる形になりやすい。