2章 – 理解度確認テスト3
3.経済モデルは現実を厳密にそのまま記述すべきか。
経済モデルは現実を厳密にそのまま記述すべきではないのである。現実を完全に写し取ろうとすれば、要因が多すぎて構造が不透明になり、一般化や因果の理解、予測が困難になるからである。モデルの目的は「現実の複製」ではなく、重要な仕組みを抽出して説明と検証を可能にすることにある。
モデルは単純化によって、どの仮定がどの結論を生むかを明確にするのである。その結果、データによる検証や反証、他の研究者との共有がしやすくなる。現実の細部を削ることは欠点である一方、理論としての透明性と実用性を得るための必要条件でもある。
ただし、現実から乖離しすぎるモデルも望ましくないのである。政策評価や予測に用いるなら、制度・市場構造・行動特性などの本質的部分は適切に取り込むべきであり、目的に応じて単純化の度合いを調整する必要がある。要するに、モデルは現実を厳密に再現することよりも、目的に照らして有用な近似であることが求められるのである。