2章 – 理解度確認テスト2

2.経済学者が仮定を用いるのはなぜか。

 

経済学者が仮定を用いるのは、現実の経済があまりに複雑であり、そのままでは因果関係や仕組みを明確に捉えられないからである。仮定によって現象を単純化し、重要な要因だけを抽出して分析可能なモデルを作ることで、「何が」「どのように」結果を生むのかを論理的に示せるようになるのである。

また、仮定はモデルから具体的な予測を導くために必要である。仮定が定まることで結論が一意に出やすくなり、データと照合して妥当性を検証できるようになる。すなわち、仮定は理論を反証可能な形にし、議論を共有可能な枠組みにする役割を持つのである。

さらに、政策評価や制度設計では、現実のすべてを再現するよりも、特定の政策が効く経路(インセンティブ、情報、制約など)を明確にすることが重要である。仮定はその経路を際立たせ、比較静学や厚生分析を可能にするための装置である。

もっとも、仮定は現実を切り捨てる側面を持つため、結論は仮定に依存する。ゆえに経済学では、仮定を緩めた場合の頑健性の確認、代替仮定との比較、実証による検証を通じて、仮定の妥当性と限界を点検するのである。