ゲーム理論の入門・初級のおすすめ本(分かりやすい教科書・参考書)
ゲーム理論の入門について
ゲーム理論とは、意思決定を行う複数の主体(プレイヤー)が相互に影響を与え合う状況を分析する数学的な枠組みです。経済学をはじめ、政治学、心理学、社会学、そして近年では人工知能(AI)やビジネス戦略にも応用されるなど、多くの分野で重要な役割を果たしています。
ゲーム理論では、プレイヤーが自らの利益を最大化するためにどのような選択をするのかを考え、最適な戦略を導き出します。有名な例として「囚人のジレンマ」や「ナッシュ均衡」があり、これらを通じて、協力と競争のバランスや合理的な意思決定の考え方を学ぶことができます。
初心者にとって、ゲーム理論は数学的な要素が含まれるため、一見難しく感じるかもしれません。しかし、基本的な概念を理解すれば、日常の意思決定やビジネス戦略にも応用できる、非常に実践的な学問です。まずは、わかりやすい入門書から学び、具体的な事例を通してゲーム理論の考え方を身につけることが大切です。
ゲーム理論の入門・初級の書籍おすすめランキング
1 | ゼミナール ゲーム理論入門 (日本経済新聞出版) | 渡辺隆裕 |
2 | ゲーム理論・入門 新版–人間社会の理解のために | 岡田 章 |
3 | 一歩ずつ学ぶ ゲーム理論 -数理で導く戦略的意思決定- | 渡辺隆裕 |
4 | 活かすゲーム理論 (y-knot) | 浅古 泰史 , 図斎 大他 |
5 | 16歳からのはじめてのゲーム理論 | 鎌田 雄一郎 |
6 | ビジュアルゲーム理論 | 渡辺 隆裕 |
7 | ゲーム理論ワークブック | 岡田 章, 加茂 知幸他 |
8 | ゲーム理論の見方・考え方 (けいそうブックス) | 岡田 章 |
9 | 現代経済学-ゲーム理論・行動経済学・制度論 | 瀧澤 弘和 |
主に、ゲーム理論の入門には下記のようなテーマを扱っています。
1. ゲーム理論の基本概念
- ゲーム理論とは何か
- 意思決定と選択
- 戦略と合理性
- プレイヤー、戦略、利得
- ゲームの分類(協力ゲーム vs 非協力ゲーム、ゼロサムゲームなど)
- 情報の完全性(完全情報 vs 不完備情報)
2. 戦略形ゲーム
- 戦略形ゲームの定義と表現
- ナッシュ均衡
- 戦略の支配とその削除
- 混合戦略と期待利得
- 典型的な戦略形ゲームの例
- 囚人のジレンマ
- 調整ゲーム
- 2×2ゲーム(チキンゲームなど)
- ベルトラン競争(価格競争)
- クールノー競争(生産量競争)
3. 展開形ゲーム
- ゲームの木による表現
- バックワードインダクション(後ろ向き帰納法)
- 完全情報ゲーム
- 部分ゲーム完全均衡
- シグナリングゲーム(情報の非対称性)
- 交渉ゲーム(1期間、複数期間)
- シーケンシャルな意思決定
4. 繰り返しゲーム
- 繰り返しゲームの表現
- 限定回数 vs 無限回の繰り返しゲーム
- フォーク定理
- 信頼と協力の維持
- 進化ゲーム(進化的安定戦略、EES)
5. 不確実性と情報
- ベイズゲーム(不完備情報の戦略形ゲーム)
- ベイズナッシュ均衡
- 完全ベイズ均衡
- モラルハザードと逆選択
- 信号送信とシグナリング
6. 協力ゲーム
- 協力ゲームの定義
- コア、シャープレイ値、仁
- グループ形成と利得分配
- 投票ゲーム、費用分担ゲーム
- 交渉と契約のメカニズム
7. 応用・発展的トピック
- オークション理論(戦略的入札)
- マッチング理論(安定結婚問題など)
- 組織戦略と市場競争
- 政治・国際関係におけるゲーム理論
- 実験ゲーム理論(行動経済学との関係)
ゲーム理論書籍概要
ゼミナール ゲーム理論入門
『ゼミナール ゲーム理論入門』は、渡辺隆裕氏によるゲーム理論の包括的な入門書です。
本書は、経済学、政治学、経営学など、さまざまな分野で重要性を増しているゲーム理論について、基礎知識から実際の意思決定への応用までを、具体的な事例を用いて丁寧に解説しています。例えば、コンビニの出店戦略や新製品開発、国家間の交渉など、日常的なトピックを通じて理論を説明しています。
本書の構成は以下のとおりです。
1. ゲーム理論への招待
2. 戦略形ゲームの基礎
3. 完全情報の展開形ゲーム
4. 戦略形ゲームの応用
5. 不完全競争市場への応用
6. 混合戦略
7. 一般の展開形ゲーム
8. 時間経過と長期的関係
9. 不確実性とゲーム理論
10. 不完備情報の戦略形ゲーム
11. 協力ゲームの理論
12. ゲーム理論の勉強を進めるために
各章では、理論的な解説だけでなく、理解を深めるための練習問題や具体例が豊富に盛り込まれています。また、巻末にはさらに学習を深めるための参考文献や情報も掲載されています。
ゲーム理論・入門 新版――人間社会の理解のために
『ゲーム理論・入門 新版――人間社会の理解のために』は、岡田章氏による、ゲーム理論の基礎から最新の研究成果までを網羅したスタンダードなテキストです。本書は、社会や国際問題、日常生活における対立や協力のメカニズムを理解するためのツールとして、ゲーム理論を豊富な具体例とともに解説しています。
新版では、オークション理論などの注目トピックが新たに追加され、解説もより丁寧でわかりやすくなっています。また、2色刷りにより視覚的にも読みやすく工夫されています。
本書の主な目次は以下のとおりです。
第1章 ゲーム理論とは何だろうか?
第2章 選択と意思決定
第3章 戦略ゲーム
第4章 ナッシュ均衡点
第5章 利害の対立と協力
第6章 ダイナミックなゲーム
第7章 繰り返しゲーム
第8章 不確実な相手とのゲーム
第9章 交渉ゲーム
第10章 グループ形成と利得分配
第11章 進化ゲーム
第12章 ゲーム実験
各章には練習問題とその解答が含まれており、読者が理解を深めるための手助けとなっています。本書は、ゲーム理論を初めて学ぶ方から、既に知識を持つ方まで、幅広い読者に対応した一冊となっています。具体的な事例と丁寧な解説により、ゲーム理論のエッセンスとその応用方法を楽しく学ぶことができます。
一歩ずつ学ぶ ゲーム理論 -数理で導く戦略的意思決定-
0.ゲーム理論の鍵となる概念と本書の構成
0.1 ゲーム理論のはじまり
0.2 非協力ゲームと協力ゲーム
0.3 ゼロサムゲームとナッシュ均衡
0.4 完備情報と不完備情報
0.5 戦略形ゲームと展開形ゲーム
0.6 混合戦略と均衡の精緻化
0.7 プレイヤーの合理性とその緩和
0.8 さぁ出発だ! -本書で学ぶためのガイドマップ-
1.戦略形ゲーム
1.1 戦略形ゲームの考え方
1.1.1 戦略形ゲームの定義と表現
1.1.2 ゲームと1人の意思決定との違い
1.2 戦略形ゲームの数式表現
1.2.1 戦略形ゲームの定義
1.2.2 ゲーム理論において重要な数式の表現
1.3 戦略の支配
1.3.1 戦略の支配 -2つの戦略を比べる-
1.3.2 戦略の弱支配 -強支配より弱い意味での比較-
1.4 強支配された戦略の繰り返し削除
1.4.1 モデル2のゲームの解
1.4.2 プレイヤーの合理性と共有知識
1.5 ナッシュ均衡
1.5.1 最適反応戦略とナッシュ均衡
1.5.2 2人ゲームのナッシュ均衡を求める
1.5.3 ナッシュ均衡を理解する
1.5.4 戦略の支配とナッシュ均衡
本章のまとめ
演習問題
2.戦略形ゲームの応用例
2.1 囚人のジレンマ
2.1.1 囚人のジレンマとは?
2.1.2 パレート最適
2.1.3 n 人囚人のジレンマと共有地の悲劇
2.2 調整ゲーム
2.2.1 調整ゲームとは?
2.2.2 フォーカルポイント
2.2.3 リスク支配による均衡選択
2.2.4 パレート優位な均衡
2.2.5 多人数の調整ゲーム
2.3 2×2ゲーム
2.3.1 2×2ゲームの分類
2.3.2 弱虫ゲーム
2.3.3 コインの表裏合わせ
2.4 戦略的投票
2.5 戦略が実数であるゲーム
2.5.1 ベルトラン競争 -価格競争のモデル-
2.5.2 クールノー競争 -生産量競争のモデル-
2.5.3 ゲームの均衡とパレート最適
2.5.4 戦略が連続的であるゲームの均衡の存在
2.6 ポテンシャルゲームと混雑ゲーム
2.6.1 ポテンシャルゲーム
2.6.2 混雑ゲーム
2.6.3 無秩序の代償
本章のまとめ
演習問題
3.混合戦略
3.1 混合戦略とナッシュ均衡
3.1.1 混合戦略 -確率で戦略を選ぶ-
3.1.2 混合戦略と期待利得
3.1.3 混合戦略のナッシュ均衡
3.2 2×2ゲームの混合戦略のナッシュ均衡の計算
3.2.1 純粋戦略の均衡がない場合
3.2.2 純粋戦略の均衡が2つある場合
3.2.3 簡便な混合戦略のナッシュ均衡の計算方法
3.2.4 ナッシュ均衡における結果と期待利得
3.3 混合戦略のナッシュ均衡の存在
3.4 ゼロサムゲームとマキシミニ戦略
3.4.1 ゼロサムゲーム
3.4.2 マキシミニ戦略
3.4.3 ミニマックス定理
3.4.4 マキシミニ戦略とナッシュ均衡
本章のまとめ
演習問題
4.展開形ゲーム
4.1 完全情報ゲーム
4.1.1 ゲームの木による表現
4.1.2 バックワードインダクションによる完全情報ゲームの解
4.2 一般の展開形ゲーム
4.2.1 不完全情報の展開形ゲームとその例
4.2.2 展開形ゲームの数式表現
4.3 戦略形ゲームによる表現
4.3.1 完全情報ゲームの場合
4.3.2 一般の展開形ゲームの場合
4.3.3 数式表現による確認
4.3.4 ナッシュ均衡による解
4.4 部分ゲーム完全均衡
4.4.1 展開形ゲームにおけるナッシュ均衡の問題点
4.4.2 部分ゲームと部分ゲーム完全均衡
4.4.3 縮約による部分ゲーム完全均衡の計算
4.4.4 部分ゲーム完全均衡に関する補足
本章のまとめ
演習問題
5.展開形ゲームの応用例
5.1 シュタッケルベルグ競争
5.2 交渉ゲーム
5.2.1 1期間の交渉ゲーム
5.2.2 多期間の交渉ゲーム
5.3 繰り返しゲーム
5.3.1 繰り返しゲームの表現
5.3.2 有限回の繰り返しゲーム
5.3.3 無限回の繰り返しゲーム
本章のまとめ
演習問題
6.展開形ゲームにおける不確実性と混合戦略
6.1 確率とベイズの定理
6.1.1 情報と条件付き確率
6.1.2 ベイズの定理
6.2 行動戦略と混合戦略
6.2.1 混合戦略と展開形ゲームの解
6.2.2 行動戦略
6.2.3 行動戦略における期待利得
6.2.4 行動戦略と混合戦略の対応
6.3 不確実性のある場合の展開形ゲーム
6.3.1 自然というプレイヤー
6.3.2 戦略形ゲームへの変換
本章のまとめ
演習問題
7.不完備情報の戦略形ゲーム
7.1 不完備情報の戦略形ゲーム
7.2 ベイズナッシュ均衡
7.3 ベイジアンゲーム
7.4 展開形ゲームによる表現
7.4.1 事前と中間期と事後
7.4.2 ナッシュ均衡とベイズナッシュ均衡
7.5 数式表現による確認
本章のまとめ
演習問題
8.不完備情報の展開形ゲーム
8.1 完全ベイズ均衡
8.2 シグナリングゲーム
8.3 シグナリングゲームの解の例
8.4 シグナリングゲームの解の数式表現
8.5 直観的基準
本章のまとめ
演習問題
9.協力ゲーム
9.1 特性関数形ゲーム
9.1.1 特性関数形ゲームと定義
9.1.2 費用分担ゲーム
9.1.3 投票ゲーム
9.2 協力ゲームの解とコア
9.2.1 配分
9.2.2 コア
9.3 最小コアと仁
9.3.1 不満,ϵ – コア,最小コア
9.3.2 仁
9.4 シャープレイ値と投票力指数
9.5 特性関数の正規化と解の公式
本章のまとめ
演習問題
活かすゲーム理論 (y-knot)
序 章 ゲーム理論という武器を持って
第1章 誰がためにサクラエビを分けるのか:支配戦略
第2章 ゲーム機の仁義なき戦い:ナッシュ均衡
第3章 運を天に任せない:混合戦略
第4章 均衡へ向かって進め:進化動学
第5章 信じられる脅し:部分ゲーム完全均衡
第6章 情けは人の為ならず:繰り返しゲーム
第7章 戦争が終わるとき:ベイジアン・ナッシュ均衡
第8章 内容のない広告が教えてくれること:完全ベイジアン均衡
終 章 「活かすゲーム理論」のスゝメ
16歳からのはじめてのゲーム理論
はじめに 〜「社会」で、考え悩むあなたへ〜
プロローグ
第1章 どうやって、皆の意見をくみ取るか T家の場合
全会一致
確率の話
集会所
皆の意見をくみ取る木箱
賛成、賛成、それから賛成
私の票は、いつ関係あるか
19票の持つ情報
Fさんみたいに考えてみる
計算は合っている
バック・ステージ その1
第2章 なぜ人は、話し合うのか H家の場合
同じ意見
最初はうまくいっていた
オーディション
王様の試験
東の賢者と西の賢者
自分のものではない
五分五分で一致
『なぜ』を共有する時間
よく話し合って
バック・ステージ その2
第3章 相手がどうするかを、読む Eケーキの場合
チーズケーキ
相手の店を、意識する
売れども売れども
ちょっとくらい高くたって
やっぱり2店とも
共倒れ?
値下げしない、と思っている
もし値下げしたらどうなるか
ルール違反
ちょうど半分ほど
バック・ステージ その3
第3.5章 ナップ・タイム
バック・ステージ その3.5
第4章 物事のバランスの決まり方 O交番の場合
夕方の交番
スピード違反
ネズミ捕り
100軒の家と、フラフラネズミ
ちょうどいい数
ランダムに取り締まり
善良な市民は見逃す?
高速で走り抜けた車
猫にご注意
バック・ステージ その4
第5章 沈黙が伝えることとは? R家の場合
通知表
成績次第
食卓に届くか、届かないか
沈黙は金なり?
『もし』を考える
頭の中の、頭の中
穴?
評点が10かどうか
まだ話の続きがある
全体としては、納得いかない
無言
通知表を見せる時
バック・ステージ その5
第6章 相手の行動を見て、考える Y家の場合
待てど暮らせど
気まぐれ
何か理由があった
そんな簡単なこと
人が何かするのには、理由がある
つと動き出す
よく考えなきゃいけないのは私の方
自分のことを傍から見てみる
世の中、簡単でも複雑でもない
バック・ステージ その6
エピローグ
これから 〜もう一歩進んで勉強したいあなたへ〜
おわりに
ビジュアルゲーム理論
第1章 ゲーム理論を学ぶ
第2章 基本―同時ゲームか交互ゲームか
第3章 応用―チキンゲーム、インセンティブ、囚人のジレンマ
第4章 発展―循環多数決、繰り返しゲーム、トリガー戦略
第5章 不確実性と情報―モラルハザード、逆選択、マッチング
第6章 大きく広がるゲーム理論
ゲーム理論ワークブック
はじめに(本書の使い方)
第1章 選択と意思決定
第2章 戦略ゲームとナッシュ均衡点
第3章 ダイナミックなゲーム
第4章 繰り返しゲーム
第5章 不確実な相手とのゲーム
第6章 交渉ゲーム
第7章 グループ形成と利得分配
第8章 進化ゲーム
ゲーム理論の見方・考え方 (けいそうブックス)
はしがき
第1章 ゲーム理論の誕生
第2章 意思決定
第3章 対立、協調、交渉
第4章 時間と情報
第5章 協力の可能性
第6章 グループ形成
第7章 大多数社会
第8章 信頼
第9章 フェア・プレイ
あとがき
現代経済学-ゲーム理論・行動経済学・制度論
序章 経済学の展開
第1章 市場メカニズムの理論
第2章 ゲーム理論のインパクト
第3章 マクロ経済学の展開
第4章 行動経済学のアプローチ
第5章 実験アプローチが教えてくれること
第6章 制度の経済学
第7章 経済史と経済理論との対話から
終章 経済学の現在とこれから
代表的なゲーム理論のキーワード
囚人のジレンマとは?
囚人のジレンマは、ゲーム理論の代表的な問題の一つで、2人の囚人が協力するか裏切るかを選択する状況を考えます。互いに協力すれば良い結果が得られるが、片方が裏切ると相手にとって最悪の結果になるというジレンマが生じます。
・状況設定
AとBという2人の共犯者が逮捕され、別々の部屋で尋問を受けています。2人には次の選択肢があります。
- 協力(黙秘):2人とも罪を認めずに黙秘する。
- 裏切り(自白):相手が罪を認めたと警察に告げる。
警察は次のようなルールを提示します。
Aの選択 | Bの選択 | Aの刑期 | Bの刑期 |
---|---|---|---|
黙秘(協力) | 黙秘(協力) | 2年 | 2年 |
黙秘(協力) | 自白(裏切り) | 10年 | 0年 |
自白(裏切り) | 黙秘(協力) | 0年 | 10年 |
自白(裏切り) | 自白(裏切り) | 5年 | 5年 |
これを2×2のTableにするとこのようになります。
左下の0年, 10年はAが左の自白で0年、Bが右の黙秘で10年となります。
Aの選択 | Bの選択 | |
---|---|---|
黙秘(協力) | 自白(裏切り) | |
黙秘(協力) | 2年, 2年 | 10年, 0年 |
自白(裏切り) | 0年, 10年 | 5年, 5年 |
・戦略と結果
1. 両者が黙秘(協力)
- AもBも黙秘すれば、証拠不十分で 2年ずつ 服役。
- 合計刑期:4年(2+2)
2. Aが黙秘し、Bが裏切る
- Bは「Aが犯罪を犯した」と証言し、Aは黙秘。
- Aは 10年、Bは 0年。
- 合計刑期:10年
3. Aが裏切り、Bが黙秘
- Aは「Bが犯罪を犯した」と証言し、Bは黙秘。
- Aは 0年、Bは 10年。
- 合計刑期:10年
4. 両者が裏切る
- 2人とも相手を裏切ると、どちらも有罪確定で 5年ずつ 服役。
- 合計刑期:10年(5+5)
・囚人のジレンマのポイント
- 合理的に考えると、どちらも裏切るのが最適戦略
- 相手が黙秘するなら、自分は裏切るほうが刑が軽くなる(0年 vs 2年)。
- 相手が裏切るなら、自分も裏切ったほうが刑が軽くなる(5年 vs 10年)。
- つまり どんな場合でも裏切る方が有利に見える。
- しかし、協力(黙秘)する方が全体としては良い
- 両者が黙秘すると 合計刑期は4年。
- しかし、互いに裏切ると 合計刑期は10年。
- 個人の利益を優先すると全体の損失が大きくなるのがジレンマ。
ナッシュ均衡とは?
ナッシュ均衡とは、「相手の戦略を考慮したときに、自分が戦略を変更しても得をしない(=最適な選択)」となる戦略の組み合わせです。
囚人のジレンマの文脈で言えば、「相手の選択が固定された場合、自分が選択を変えても状況が改善しない」という状態がナッシュ均衡です。
・囚人のジレンマのナッシュ均衡を求める
上記のの表を再掲します。
Aの選択 | Bの選択 | Aの刑期 | Bの刑期 |
---|---|---|---|
黙秘(協力) | 黙秘(協力) | 2年 | 2年 |
黙秘(協力) | 自白(裏切り) | 10年 | 0年 |
自白(裏切り) | 黙秘(協力) | 0年 | 10年 |
自白(裏切り) | 自白(裏切り) | 5年 | 5年 |
・ナッシュ均衡の考え方
・ナッシュ均衡の結論
- (自白, 自白)=(裏切り, 裏切り) がナッシュ均衡。
- 理由: どちらも 片方だけが行動を変えても得をしない から。
・なぜ(黙秘, 黙秘)はナッシュ均衡ではないのか?
- (黙秘, 黙秘) では、お互いに刑期が 2年 ずつ。
- しかし、一方が裏切れば 0年に減らせる。
- つまり、黙秘していると相手に裏切られる可能性があり、最適ではない。